「チッ。まじめんど」



突如変わった綾美の声色。


え?って感じで。
振り返った。



「お前が山城と同じアパートに住んでるって聞いたからがんばって性格作ってたのに」



…は?


意味が、分からない。



「…なに?」



返事をする気はなかったけど。
返さずにはいられなかった。



「だからぁ。
あたしは、山城の彼女になるために、お前に近付いたの。
分かる?利用したかったの」



なんで山城って呼んでるの?
今までは名前で呼んでたじゃない。


しかも利用って…。



「思考停止してるとこ悪いけど、あの始業式の件、計画してたんだよね〜」



始業式…?


え…?



だってあれは、あたしが仕掛けたようなもので…。



「あの日に決行する予定はなかったけど、お前から仕掛けてきたからさぁ」



「あの、ごめ、意味分からない」



「アッハハッ!
だよねぇ?わかんないよねぇ?
馬鹿だもんね!」



あ、やみ?


「ごめんごめん、もう利用価値ないから。あたしの前から消えてくれる?

山城の家も番号もアドレスも分かったからさ」



「…!?」



「直接話すには紹介がいいと思ってたけど、お前じゃなんの役にも立たなかったわ。
んじゃ」




「…ちょっと…。光の気持ちはどうなるの?」



「は?そんなもん関係なくね?」