「ねぇ」



「ん?」



すごく嫌な感じで綾美を呼んだ。



「なんで光のことばっか聞いてくるの」



語尾を上げることができないくらいあたしはイライラしていた。



「なんでって…好きだから?」



「好きって?」



「は?だから、彼氏候補なの!」



「え、なんで?」



「かっこいいもん」



え、それだけで?



「だからってなんで彼氏候補なの?」



「葵、なに言ってんの?」



「それはこっちのセリフなんだけど…」



「まずは外見でしょ?」



ガタッ!



綾美の言葉にあたしは怒りが爆発した。
勢いよく立ち上がって綾美を見下ろす。

そして。



「最っ低」



ドスの効いた声で言い放って教室を出た。