なんとか上半身だけ起こすと、突然抱きしめられた。



「わっ!ちょっと離れて!」




バシバシ背中を叩いて離そうと試みたが、ガッチリ捕まって離れられなかった。



「…ごめんな。冷たくて」



急に優しい声で謝ってくるこの人は本当になんなんだろう。



でも、今の懐かしい、優しい声を聞いて、無理矢理封じ込めていた感情が溢れ出してしまった。