「んで、何があったの」


ホテルの前にあった自販機で買ったオレンジジュースを渡してくれた優輝さん。

それと同時にベッドに座らされた。


「…」


あたしは答えない。


この人に話したってどうせバカにされるだけ。


「なぁ、聞いてんのか?」


自分はブラックコーヒーを飲みながら椅子に座った。

「あー!めんどくせぇ。
そんなブサイクな顔で黙ってるとまじでブサイク」


言ってる意味が分かんないよ、それ。

結局ブサイクなことには変わりないじゃん。

「光になんか言われたの」


ビクッ…


光という名前を聞いてびびってしまった。

「なに、そういうこと?」


「ちがう…」


光じゃない…。


「だよな」


え?
だよな?って?


なんで納得してるの?


「…俺がこっちに来たのは光に言われたからでさ」


光に言われた?


「どういう…」


かすれた声で聞き返す。


「いやさ、…あの…makoっているじゃん」


ズキズキ…


痛い…マコちゃんの話はしないで…。


「週刊誌とか、掲示板とか。
葵の実名載せたのはmakoだって聞いてさ」


は…?


マコちゃんが?

何かの間違いでしょ?
こんな時にまで嘘つかないでよ。


「光との写真をばらまいたりしてるらしいんだわ」


「嘘だよ…。
マコちゃんはそんなことしないよ…?」


声が震える。


「だと思うでしょ。
俺もちゃんと疑ったよ。
あいつのことは全然知らねーけど。
優しそうなやつだと思ってたからな」



「マコちゃんは優しいよ?」


「けどさ、人って変わるから」