敬吾くんの警告通り、私の身にも事件は起きた。


まずは不特定多数からのメールや電話だった。
画像を添付して送ってくる人もいて、私の悪口や、あることないことをネットの掲示板で書いている様子をスクリーンショットしたものが多かった。


『今は学校に行っていない』


そう書かれていたのは事実だ。


一人の助言で学校は休んでいる。

でもこれを知っているということは、学校内部の人の投稿か、私の身内。
大学は広い。

まさか、まさかとは思うけれど、私の周りの子がこんなことを書き込むなんて。
疑いたくはない。


しかも、たまたま適当に書いたことが本当だったということも考えられる。


私はそれなりに疲れていて、物事を判断する力や、考える力が欠乏していた。


それでも必死に気持ちの逃げ道を探していた。


週刊誌や掲示板は追い討ちをかけてくるばかりで波が引かない。

お母さんも今の状況は知っている。

玄関の外に様々な嫌がらせ跡があるから。


大物スターと関わるのって、ものすごく大変だ。


何も起きなかった今までが不思議なくらい。

…いや、起こさないようにしてくれていたのかもしれない。


それを私が壊したんだ。