「ねぇマコちゃん?」



『うん?』



「Yって………光じゃないよね」



『………黙っててごめんね。
ひかちゃんだよ』



「本当にそうなの?」



『うん。今度のイベント行ってみな?
悠希が全部話したことはひかちゃんも知ってる。
イベントに行けばゆっくり話せると思うよ』



「あはは、やだなぁ…。
話すことなんてないよ…」



『あおいん…』



「あたしのせいで辛いみたいだし?
あたしなんかが行ったら光に迷惑かけちゃう。
縁切れとか言われてもそんなの無理だし。
第一、私が行って何になるっていうのさ」



『葵。
葵は何も悪くない』



「そうだよね?あたしも光のお父さんに何をしてこうなったのか、全く心当たりがないよ」



『うん。
分かってる。だから立ち向かってほしい。
やましいことなんて何もないんだもん』



そうだ。


何もやましいことなんてない。



なのにどうして私は逃げるの?



どうして解決しようとしないの?



「…明後日、握手券持ってないんたけど、イベント会場行ってみる」



『その日は僕も休みだから一緒に行く』



「ありがと」



きっとまた喧嘩しちゃうから。


仲介役がいないとあたしたちはぶつかってしまう。


マコちゃんはそれを分かって付いてきてくれるんだと思う。