「なんでじゃなくてさ…」



「しっかたないな〜。もー、ワガママなんだから〜」



「…」



「えっとね…」


ドン



健二が話を始めようとする寸前に。

光の家からもう1人。



優輝さんが登場。


タイミング悪。



「ベラベラ話すなよ。こいつは他人だろ」


「あー、それもそうだね!やめる!」



え、ちょっと…。


てか…今こいつって言われた。
名前では呼んでくれないくらい、あたしのこと嫌いなの?
あたしは他人?
そんなに嫌い?

あたし、優輝さんにはなにもしてないよ…。
ちょっとしつこく話聞こうとはするけど。



「帰っていいよ!じゃあね!」



帰っていいよじゃないよ…。


もう少しで聞けたかもしれない光の今の状況が、また霧の中に消えて行ってしまった。


某然とするあたしを冷めた目で見る優輝さん。


やっぱりこの人は、誰よりも冷たい。



「…」



もうなにも言えなくなったあたしは。
最初から光にとって他人でしかなかったのかと思って。
しばらくその場に佇んだ。