「そういえば黒猫の話知ってる?」


葵が急に話を変えた


「黒猫? 知らないよ」


黒猫と言われてついさっきいた猫を思い出した


「大学でスゴく噂されてるよ なんかね黒猫が過去に連れててくれるらしいの」


「過去に…? そんなのあり得ないよ」


私は笑いながら言った


猫が過去に連れててくれる?


そんなのただの噂に決まってる


「まぁね 美里はさ過去に戻りたい?」


「うん… 私後悔ばっかりだったから…」


私は何においても後悔ばっかり


恋愛のことだって…


「でも歴史を変えちゃったら今の生活がなくなるんだよね…」


葵が悲しそうに言った


確かにそうだ…


「だから私は過去何か行かないな」


葵が微笑んだ


葵は強いんだな


私とは大違いだよ