「それでまぁ...」

緑色のかっぱが茶色のレトロでオシャレな椅子に足を組んで腰掛ける。
そこにはティーカップとクッキー。オスかっぱのくせにオシャレなものを食べるものだ。

イスと同じデザインで揃えられた机をまじまじと見つめていると、お一つどうぞ、と勧められる。

飲み物は出さないのか、と思いながら向かいに座って一つクッキーをいただいた。

「それでね、ルナンシーにも手伝ってもらいたいんだ。僕たちの仕事を。」

フィロンは一口カップを啜ってから切り出した。
つまり、あのサークルのメンバーになってほしいということか。

「仕事って何?」

「うまくは言えないけど...。研究と、人に教える仕事かな。...その他の生活のことは上手く手配するから」

まるで大学教授みたいだと思った。

住む場所もここで良く、食事の面倒もその地の生活費の面倒も彼がみてくれると言った。

そんなこと言われると本格的にかっぱになって生きて行かなきゃいけない気がしてさみしい。