「ねぇ、それにしても、峰くん、ヒドいわねぇ...」

そろそろくるかな?そう思っていたら、やっぱり。またこの話を出してきた。

ここのところずっとだ。悠人の話はもういいって。

父も反応してこちらを見た。もう話題に出したくない。

「うん、まぁ。それよりさ、このきゅうりの漬け物美味しいね。持って帰ってもいい?」

「あら、峰くんはもういいの?そう。それ美味しいでしょ。もちろんよ。奈留のために漬けたんだから。」

母は無意識で私の心の傷をえぐっているのだろうか。ズキズキ痛む。