そこは今までに見たことのない世界だ。

長い長い洞窟の奥のような、古い古い沼地のような。

まるで映画の世界だ。

空気はひんやりとしていている。

シーンと静まり返り、一定のリズムで滴が落ちる音しかしない。

あぁこれは天国かな?私は死んじゃったんだ。

でも天国にしてはなんか地味。

目の前には一本道しかない。この先を進んで行けば天国へ辿り着けるのだろうか。後ろにはただ、岩の大きな壁しかなかった。