『愛されてるのも辛いねぇ』 「そうねぇ」 『ちゃんと愛してあげなさいよー』 「俺なりに」 てかもうアイツの話はいいよ、と話題をぶった切る。 あんま考えたくない。 幾分か晴れていた気分がまたも憂鬱に変わりそうで、俺は頭を切り替えるべく吸い終えた煙草の火種を靴の裏で消し、それを入れられるものはあったかな、と考えていた時だった。 数メートル先にいた一人の女に、俺の目は釘付けとなった。