「あれ?帰ったんじゃなかったの?」 「あ、麻友」 放課後、校門から少し行った場所にある花壇に座っていたあたしに声をかけてきたのは、小学校からの親友である杉田麻友。 乗っていた自転車から降りるからあたしも立ち上がる。 「誰か待ってんの?」 「うん、まぁ」 「そっかー。最近暗くなるの早いんだから気をつけなさいよ」 「はい、お母さん」 「誰がお母さんか」 ペチンと軽く額を叩かれる。 痛い。