「ヒメ。
ちゃんとこっち見て。」



「………見れない。」



俯いてぽつりと答えるあたし。




次の瞬間

あたしの頬に

温かいものが触れた。



マーくんは両手で

優しくあたしの顔を包むと

自分と目が合うように

そっと角度を変えた。



初めて触れられて

あたしは全身が熱くなって

マーくんの視線に吸い込まれるように


目線を合わせた。



「ちゃんと聞いて、ヒメ。」



あたしはコクッと小さく頷く。



「俺にとっては
ヒメに会えなくなる事の方が辛いんだよ?」



「……え?………」



「それでも、もう会えないなんて言うの?」



「……………」