コーヒーを出す瞬間も、


雑誌を差し出す時も、


シャンプーしてる時なんて特に、



あたしはドキドキしている。



整った眉、切れ長な目と、長い睫毛。
シュッと筋の通った鼻、少し薄めの、セクシーな唇。



あたしが好きになる人はみんな、初恋のマーくんに似た人ばっかりだったけど…


本物がここにいる。大人になって、更に色気が増した。


笑った時だけは、昔の面影が見えるんだ。



この短時間で、あたしの視線をまるごと奪ってしまうんだから、



マーくんはすごい。


マーくんはカッコイイ。


マーくんに恋し………





ん?!



ちょっと待て、あたし



この気持ちは、断じて恋なんかじゃない!




そう自分に言い聞かせる。