それから私たちは一日中、修学旅行先の名所を回った
いろいろあったけど
私の頭は
昨日のことでいっぱいいっぱいで
少しも楽しめなかった
そして夕方になった
私たち五人は夕飯を食べていた
部屋割りは昨日と同じで、私と美波ちゃん、北野と由実、遼ちゃん一人になった
でも実際は遼ちゃんと美波ちゃんが同じ部屋なんだ
北野と由実はそのことを知らないし
私や美波ちゃんや遼ちゃんも昨日のことを言わなかった
本当は由美を止めたかったけど
精神的にボロボロな私には
そんな元気なかった
「ごめん、ちょっとトイレ」
私はトイレに行くために食事中抜け出した
すると北野が追いかけてきた
また北野?
「なあ、
お前昨日一人だったろ?」
え、、、
なんで知ってるの?
「なんで、、、?」
私はつぶやいた
「さあな
教えてやらねえ
でもこれだけは教えてやんよ
俺な由美とやったんだよ
でもな、利用してるだけ
お前を抱くために、利用してんだよ」
え、、、、?
「本当に抱きたいのはお前だけど
なかなかつれねえから、親友に手え出してるってわけ」
北野は笑みを浮かべながら言った
、、、、最低
由実がどんな思いなのか知らないくせに
こんなに好きなのに
由実はあんなに好きなのに
それなのにこいつは、、、
由美を平気で傷つけている
許せない
私は北野を殴ろうとした
でもその瞬間、、、
「俺を殴っていいのかよ?
原因はお前にもあんだろ
お前がなかなか俺に抱かれねえからこうなったんだろうが」
は、、、、
こいつ、、、
「じゃあ、、、
私があんたとやれば
由実と付き合ってくれるの?」
「やだね
由美を抱いてんのはお前を抱くため
お前を抱いたら役目終了
バイバイだ」
「そんな、、、
ありえない、、、」
私はつぶやいた
じゃあ、
どうすればいいわけ?
どうすれば由実が幸せになれるの?
私、、、
なにもできないの?
いや、、、
まだ間に合う
急いで、全てを由実にさらけだすんだ
そうすればまだ可能性があるかも
一旦は由美を傷つけるかもしれないけど
そっちの方がいい
これからずっと由美をだまし続けるよりは

