「あれ?!」




何回も右へ左へ回してみるが、ガチャガチャっとドアノブは音をたてるだけで開こうとしない。




「はぁ…。」




今日は厄日だ。


優芽は置いてあったソファーに座った。




「資料室にしては何もないなぁ。」




電気はついてなくて、窓から差し込む光が一つ置かれたデスクを照らしている。


いかにも使われてない雰囲気が漂っていた。




「何してんの?」




恭弥は壁によっ掛かり、辺りを見回す優芽を悪戯を楽しむ子どものように笑って見ていた。




「え?」


「ここ僕の部屋だけど。」




はぁ?




「資料室じゃないの?」


「資料室を僕の部屋にしただけだよ。」




なるほど…。


なんとまぁ自己中なこと。




「じゃあたしは出ていきます。」


「どうぞ。」