「あなたには学校一のカップルになってもらいます。」


「はぁ?」




優芽(ゆめ)はこの塲にきて気付いた。


そうゆうことか。


だから女子たちは姫を狙っていたのか…。




「で、誰?」




モテそうな顔立ちだけど、どこか遊んでそうな雰囲気の漂う、目の前の男。


男は恭弥(きょうや)の友達といったところで、名前を石川龍牙(りゅうが)と言った。




「優芽でしたっけ?恭弥に何したんですか?」


「何もしてない!」


「ふーむ。」




こいつには何かおもしろいことがあるようだ。


龍牙は優芽をなめ回すように見て、ふっと笑った。




「何…?」


「楽しみにしてますよ。」




それだけ言って龍牙は部屋を出ていった。




「何なんだし…。」




優芽は置いていかれたことへの不満を呟くと、部屋を出ようとドアノブに手をかけた。