「知らないよ。」




静かな部屋で絡む二人の視線。




「で、何しにきたの。」


「はっ。」




Σそうだったー!


あたしはただ、花火大会のポスターのこと聞きにきただけだったんだ!




「で?」


「あの。とりあえずどきません?」


我に返った優芽はこの状況をどうにかしようとする。




何してんだ自分!


これじゃ愛衣になんて言われるか…。




「学園長。」


「名前で呼びなよ。」




…この期に及んでまだSなのか。




「神代恭弥。」


「咬み殺すよ。」




注文が多いなぁ、まったく。




「あの、花火大会のポスター、美術部に頼んでもいいですよね。」


「そんなこと聞きに来てたんだ。うん、最初からそのつもりだよ。」




は?




「は?」


「よろしく。」




恭弥は言い捨てて、さっさと部屋を出ていってしまった。




「…。うぎゃーっ!」




ガシャーンッ。


…当たられたのはソファーだとか、そーじゃないとか…。





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