と、こちら。


中庭の中心、青いレジャーシートが敷かれたところ。




「なんで?」


優芽はそう言いたそうな顔をしていた。


そんな優芽の顔を見て、恭弥は笑みを浮かべる。




「僕がいるのが不思議かい?」


恭弥はすっと優芽の隣に座った。




「何か飲みますか?」


すかさず愛衣が紙コップを差し出す。




「じゃコーラちょうだい。」


恭弥はコップを受け取った。


と愛衣はペットボトルを優芽に渡す。




「何…?」


「入れてあげなよ。」




愛衣は優芽に耳打ちして促す。




「な、なんで?!」


「そりゃあ、あたし達に言わないで呼んぢゃうくらい来て欲しかったんでしょ。」




何を勘違いしてるわけ?




「呼んでないよ。」


「もう!いいから早く入れてあげないと、王子様の手が痺れちゃうでしょ。」




愛衣がそう言ったので優芽が振り返ると、そこにはコップを差し出しじっと待っている恭弥が。