「神代の部屋行った?」


「…まぁ、行ったけど。」


「やたっ!」




ガッツポーズで跳びはねる凜羽。


優芽は呆れて、自分の席へ帰って座った。


とたん、クラス中の女子たちが優芽の周りを取り囲んだ。




「優芽すごいじゃん。」


「何が?」


「だって姫だよ。この学校一の女の子なんだよ。」


「別に…望んでないよ。」


「…調子乗ってんじゃねーよ!」




『ガコン。』


女子の内の一人が机を蹴って、軽く鳴った。




そんなんひがみじゃん。


優芽は立ち上がった。




「悔しかったら奪い取ってみなよ。できないんだったら、あんたがそれまでって事でしょ。できない奴が姫様の机蹴らないで。」




ふん、と首を振って、優芽は座り直した。


女子たちはこそこそと悪口を言って机を離れていく。




「優芽ちゃんごめんね。」




一人、大人しそうな子が優芽に謝った。




「いいよ、気にしてない。」