「ただいまー。」


ガラガラとドアを開けると、自習で荒れ果てた教室の風景が広がっていた。




少しは勉強しなよ…。




課題などなければこっちのものと言わんばかりに、男子たちは暴れ回って女子はたむろって話を始める。




「優芽おかえり♪」


「凜羽(りう)…。」




なんて楽しそうな目をしてるんだこの子は…。




「そだ、黒神(くろがみ)さんお手入れしとかないとね♪」


「…はぁ。」




黒神さんとは黒猫で凜羽の武器的ものである。


使う時は瞬時に武器化し、鋼の強度に優る刀となる。




そんなのどこで手に入れるんだろ…。


あたしは刀なんかいらないけどね。


猫が飼いたいなぁって、黒猫さんを見てると思う。


なんであんなに可愛い猫が刀になるんだろ…?




「猫連れてて怒られないの…?」


「え?強行突破だよ。でも先生何も言わないし。」




恐っ;先生何も言えないだけだよ…。