「ついたぞ」
土方のその言葉とともに地面に下ろされる
目の前に見えるのは血生臭い池田屋
こんなに血の臭いがするのにまだ叫び声とともに刀が交じる音がする
何人死んだの…?
「木村」
「…はい」
「俺は会津藩を待つ、お前は怪我人の手当てをやってやれ」
「……はい」
本当はここに来るはずじゃなかった
私はここに来てはいけなかった
なのに来てしまったのは神様の悪戯だろうか
でも手当てなら歴史には関わらないよね
それなら早く、できるだけ早く手当てしてあげよう
「怪我人はこっちへ!」
「ん?祐姫じゃねーか」
「新八!!大丈…手!斬れてる!」
ノコノコ外へ出てきた新八の手は切れて血だらけだった
「あー…本当だ」
「本当だって…早く手当てするからこっちだして」
「へいへい」
痛々しい手に唇を噛みながらもてきぱきと手当てをしていく



