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「ちょうど沖田はんがあんさん連れていかぁるの見えたさかい、新しい女中はん来たんやとばかり思ってたけど…違ったみたいやな」
“災難やったな”といいながらお花さんはてきぱきと私を手当てした
「はい、出来上がり」
私はお花さんに包帯を巻いてもらった首を触る
「私は花。あんさん、名前は?」
「………」
「まぁ、ええわ。それよりあんさん、変わった着物着てはーるんやね」
「…私にとっては至って普通だけど」
私が話したのが嬉しかったのかお花さんの表情が明るくなる
「そうなんや、外国の着物やろか…でもここら辺ではみんな着物やし、目立ってまうから着替えよか」
「……別に「着替えますえ」…はい」
強引なお花さんに押され私は静かに頷く
お花さんは楽しそうに微笑むと押入れから着物を取り出した



