ペナルティ


「仮入隊してから凄く声をかけられるの」

「だが、それは木村が好かれているということでは?」

「いやいや、それはないでしょう。私は優しいわけじゃないし。私のどこを好きになるのか理解できないわ」


笑いながらいうと斉藤が手を止め私を見た


「…木村は優しいと思うが?」

「え?」


私が優しい…?


予想外の言葉に何も言えないでいると斉藤が首をかしげた


「なんだ、俺は変なことをいったか?」

「…いや、そんなこと、言われたことなかったから」

「そうか」


照れた顔を隠すかのように俯いた私は、斉藤が私を見て笑っていたことに気づかなかった


「まぁ、何かあれば頼れ」

「あ…ありがと…」


次にチラッとみたときには、斉藤はいつものように無表情で野菜を切っていた