「これでも?」 そう言いながら真っ白なマスクを外した。 自慢の耳まで裂けてる口。 さぁ、これを見て逃げなさい、人間! 「うん、綺麗」 ……んんん? 今、『綺麗』って…? 「えっ…」 なんで逃げないのこの人間…!! 予想すらしてなかったことに、人間ははははと笑った。 「随分口が大きんだね。すっごく綺麗だよ」 「な…っ。ななな…!!」 顔が熱くなるのを感じた。 どうしよう…どうしよう…。 こんなの私のマニュアルに載ってないわよ…!!