口裂け女の恋愛事情


もんもんとしてた気持ちを振り払うように、私は首を左右に振った。




なにも悩む必要ないじゃない。




私は私でやっていったら。




人間に恋?




馬鹿馬鹿しいにもほどがある。




これはきっとあれよ。




一瞬の気の迷いだわ。





私はそう何度も自分に言い聞かせた。





そんなことしてもこの気持ちが消えるわけではないのに。







「また、会えるかしら…」







ぽそっと呟いたその言葉は、静かな図書館に響き渡った。