家を出たはいいが、私は図書館の場所を知らないことに気づいた。 仕方ない。 すれ違う人間に聞こう。 タイミング良く私の隣を子供の人間が通りかかった。 「ねぇ」 声をかけると、子供は立ち止まり私を見た。 「なぁに?」 「図書館は…どこ?」 「図書館?だったら連れて行ってあげるよ。僕も丁度そこに行こうって思ってたから」 最近の子供はなんて親切なのだ。 いつか夜道でこの子供と会ったら殺さないで見逃そう。 「あ…ありがとう…」