うーん。しかし皮肉な事に今度は伯母ちゃん家(ち)よりも先に、青磁ん家(ち)の方に2番目の子供が出来ちゃった訳か。だもんだから今度は伯母ちゃんの妹である青磁のお母さんの方が、先に名前を考えなきゃなんなくなっちゃたって事なんだ。これってヒジョーにマズイよね。まあ、流れ的には色繋がりに落ち着きそうだものね?でも私的には単なる『花』だけに拘った名前も良いと思うんだけどなあー」




「例えばどんな花の名前?」
 と青磁にそう言われてしばし萌黄は考え込んだ。




  そんな中萌黄が何気なくチラっと前方の教壇を覗き込むと、のっぺらぼうな瓜顔の女教師が相変わらず生徒の退屈なんて無視して、勝手にヘタな語りの授業を展開していた。なので萌黄はそのまま青磁とのヒソヒソ話を続行した。




  そして  
「そうねえー。えーと例えば、『エリカとかナズナとか李(すもも)』なんかも可愛いと思う。ちなみにエリカとナズナは『江里花』か『那咒那』てな風に当て字を使えば良いかも知れないね。ありゃ?!でもよくよく考えると、これも結構マイナーな名前かな?」