角倉七海(かどくら ななみ)は郊外のマンションで独り暮らしをしていて、しかも車通勤である。




  その時角倉七海は立体駐車場の音声のガイダンスに従い車を仕舞っていた。ちなみに立体駐車場の音声のガイダンスは、毎回マニュアル通りなのでゆっくりと進んでゆく。




  でもって何気なしに七海がマンションの裏口を見ると若い女性がしきりにチラチラと七海を見ながら、ゴソゴソとバックの中を掻き回しているのが見えた。どうやら鍵を探しているらしかった。



 
  ガレージに車を入れ終えた七海はその女性に
「こんばんは。鍵が見当たらないのですか?」」
    と声をかけた。