「おいクソガキ」



おっとー

忘れてた






「あ、恭さん」

「何、娘に手ぇ出してんだ!!」

「大丈夫です。もう手、出し済みですから」

「んだと!?」






恭さんは虹真が日本に残ることに喜ぶだろうな

なんかムカつく




虹真は恭さんの為じゃなく、俺の為に残るんだよ







「お父さん」

「虹真、帰るぞ」

「私ね、日本に残る」

「そうか。やっぱりこの男が嫌になったんだな」

「ううん。せいくんの隣にいる為に残るの」

「は?」

「私…………モデルのトップを目指す」

「生半可な気持ちで出来ねぇぞ」

「分かってる」







恭さんはチラッと俺を見て





「はぁぁぁぁ」





盛大な溜め息をしてくれたよ






「どこまで馬鹿架也そっくりなんだ」

「親父?」

「あいつも詩或の為にトップに なるって俺に喧嘩売って来たからな…………」






俺、しっかり親父と同じ道に進んでんだ



残念なことに









「虹真が残るなら何も言わねぇよ。ただ」

「ただ?」

「虹真を泣かせるならどんな力使ってでもお前をモデル界から追い出すからな」

「なにそれ。脅迫っすか」

「本気だからな」

「大丈夫です。虹真を愛せるのは俺だけですから」

「キモ」








何はともあれ


想いが通じあって

遠距離だけど



虹真が俺のものになった





それだけで良しとしようか