「こちらは制服ですか?」
「あーはい。今だからこそ着れる服で、自分でデザイン、製作をしました」
「デザインから製作までですか!?」
「いや~大切な人の父親が頭硬い人で」
「父親?」
「こっちの話です」
司会者や客席からは何のこと?みたいな空気が流れていたが
審査員席にいる恭は笑顔が一瞬氷ついた
ざまぁみろ。おっさん
「それでは特技についてですが……」
「あー……特技っすか」
困ったな
ここに来て何もしないなんて無理だろう
特技ねぇ…………
「あー演奏とか?」
「演奏ですか。何を弾いて下さるのでしょうか」
「アメイジンググレイス」
唯一弾ける曲だ
「ではピアノがこちらに」
「あ、すんません。ピアノじゃなくて」
ピアノなんて弾けません
「ヴァイオリンで」
何故かヴァイオリンなら弾けます



