氷の恋愛





モデルは楽しい



やりがいあるし

夢中になれる





だけど俺は普通が良いんだ





親父と詩或の名前で売れるのだけは勘弁して欲しい





本気でモデルするなら実力でなければ駄目だ








「親父の跡を継ぐつもりはねぇよ」

「世或がモデルをやりたがらないのは十分理解してる。それでもお前には才能もある」

「七光りにはなりたくない」

「…………だからアメリカに拠点を置かないか?」

「は?」







確かに実力で這い上がるならアメリカはもってこいの場所だ




俺のことを知ってる人なんかいない

親父は有名でも俺が息子だとは知らない






モデルが出来る





だけど、それは






「日本を離れろってことか?」

「うん」






アメリカに住むってことだ