「ほら、いい子だからあっち行ってなさい」
「ですが」
「怪我するよ」
「お手伝いしたいです」
そんな可愛く言われても…………
お手伝いしたいのか
「じゃあ一緒に」
「虹真は詩或手伝え」
「チッ」
一緒にしようと言いかけたのに親父に遮られた
「…………はい」
「親父のせいで虹真がへこんだだろ」
「傷作られるよりマシだ」
虹真は詩或の元へ向かった
「だけどお前の姫は扱いやすくていいな」
「は?」
「詩或は俺が何言おうが自分の意思を曲げねぇからな」
「虹真はいい子だもん」
「いい子だがリードをしっかり持ってないと逃げ出しそうだな」
「逃がさねぇし」
「え?ストーカー発言?」
「死ね」
親父は無視だ
ひたすら野菜を切る



