氷の恋愛




「お、世或も虹真も着いたのか」

「虹真?」

「詩或は初めて会うよな」

「ん」

「世或が一目惚れしたモデルの虹真」

「へぇ」





詩或は相変わらず冷めてるな





「ほら、虹真」

「むっ無理です」

「は?」

「緊張して…………足震えて……」




どんだけ詩或が好きなんだよ

それくらい俺のことも好きになってくれると有難いんだけど





「詩或、このくっついてるの虹真」

「…………よろしく」

「はひ!!お願いいたします!!」




はひって何だよ





「虹真緊張し過ぎ…………」

「うぅ…………」

「可愛いけど」




プルプル震える姿はチワワみてぇ

可愛い過ぎる





「詩或」

「あ…………初瀬さんはせいくんのお母様なんですよね」

「うん」

「どうしてお名前で呼ばれているのですか?」

「あーガキの頃はお袋って呼んでたらしいんだけど、お袋って呼ばれるの嫌だったらしくいつの間にか詩或って呼ぶようになったんだ」

「そうなんですか」





虹真は緊張はしているようだが俺の家族のことを知ったからといって


特別変わる様子もない



やっぱり信じて良かった






芸能界では俺のことを知っている人は手のひら返したようにペコペコして

少しでも好感度をあげようと必死だからな