「確かに虹真ちゃん可愛いよな」
「つうかお前虹真ちゃんとか呼ぶな」
「ヤキモチっすか?」
「死ね」
ヤキモチとか知らねぇよ
ただ何となくムカつく
それは俺以外の男が虹真を呼ぶからなのか
ただ単に柚がムカつくのかは分からない
「ほら、屋上行くぞ」
「はーい」
「おい!!お前ら!!」
忘れかけてた
担任の存在
「だって先生、授業出るなって」
「それは2年のだ。お前らは自分のクラスの授業に出ろ」
「やだ」
「初瀬、いい加減にしろよ。保護者呼ぶぞ」
「呼べば?来ねぇと思うけど」
詩或も親父も仕事で忙しいし、世瑠くんとあんちゃんも忙しいし来るわけない
中学の時も3者面談とか何かと理由つけて逃げたし
「先生、俺精神的に病気にかかりそうなので早退します」
「何だよその理由」
「実際に病気にはかかりそうにないから」
「あーもう。ほら、授業行くぞ」
担任に無理矢理引っ張られ嫌々授業を受けるハメになった
授業に出ても考えているのは虹真のことばかりだけど
今頃虹真も授業受けてんのかな…………
恋する乙女みたいだ
………………うわ
キモ
自分で思って気持ち悪くなった



