「初瀬!!」
「「はい?」」
屋上まであと1階分
階段の踊り場で後ろから声をかけられた
相手は見なくても分かる
「お前らはまたサボりか!?」
「美術の授業ですよ~」
「は?」
「この目に世界に1つしかない景色を焼き付け…………痛てぇ!!」
担任は柚のアホな回答に頭を叩いた
「いとこってこんなにも似るのか?」
「俺とこの馬鹿のどこが似てんだよ」
「すぐサボるところ。そのくせ成績はいいところ。運動が出来るところ。一体何処のイケメンの条件を兼ね備えているんだ」
「うるせぇ」
「とにかく授業には出ろ」
「何で?」
「他の生徒に示しがつかんだろ」
他の生徒なんて知るか
成績は入学テストから上位をキープ
入学してすぐにあった抜き打ちテストだって高得点だった
サボっても問題ねぇだろ



