「とりあえずアドレスとか教えて」
「はい」
今まで出会ったことのないタイプだ
周りの女は計算とかしててぶりっ子ばかり
だけど虹真は違う
計算とか絶対出来ねぇな
「今日から虹真は俺の彼女ね」
「えっと…………彼女ってどうすればいいのでしょうか」
「まぁ、虹真の場合お試しね」
「お試しですか?」
「俺、絶対惚れさせてみせるから」
「はい」
親父は途中から呆れて何も言わなかった
「それでは私、撮影あるので」
「夜、メールするね」
「はい」
虹真はパタパタ走って撮影に戻った
走る姿でさえ可愛いな
「お前本気か?」
「何が?」
「出会った初日に告白して彼女にするとか」
「大丈夫。虹真は俺に惚れるから」
「………………俺の息子ながら馬鹿だな」
「うるせぇ」
俺は俺の直感を信じる



