「とりあえず、マジで酔うなよ」
「それは無理だろうな」
俺、酒弱いし
「お前とちゅーすんのもう嫌だからな」
「え?俺いつ柚とちゅーしたんだよ」
「中学の時に2回、高校の入学式の時に1回だよ」
「うぇ」
もしかして俺のファーストキスって柚!?
ショックだ
「………………ハイボールも追加」
「おい!!」
「呑んで忘れる!!」
「忘れねぇだろ!!」
結局柚はオレンジジュースを注文した
「相変わらずうまいな」
「一応プロなんすけど」
「あ、そうか。忘れてた」
柚の歌の上手さは昔から
これでデビューだもんな
いいな
俺はデビュー出来るのか?
「………………色々自信ねぇ」
「天下の世或様でも自信なくすことあるのか」
「あん?」
「世或はいつもみたいに無駄に自信満々で居ればいいんだよ」
「何だよそれ。馬鹿みてぇ」
「馬鹿だよね」
「うっざ」
柚のおかげで少し気持ちが落ち着いた
逃げない
虹真とも仕事とも向き合う



