「親父」
「ん?」
「俺…………あいつ手に入れる」
「…………は?」
「惚れた」
親父は少しの間をあけて
「ぶっ!!くくっ…………いやぁ…………やっぱりお前俺の子だな」
笑い始めた
「んだよ」
「いや~俺もさ、詩或のこと一目惚れだったんだと思うよ」
「何だよ。その微妙な感じ」
「詩或の顔はもろタイプだったからな」
「ふーん」
「だけど詩或って性格悪いだろ?だからよく喧嘩してさ」
「そんなことは、どうでもいい」
親父と詩或の話なんて興味ねぇ
俺が気になるのはあの女だけだ
「虹真!!」
は?
何事かと思えば親父があの女を呼びやがった
「ほら、きっかけ作ってやるから」
「死ね」
「そんなこと言ってると女にモテねぇぞ」
「生憎俺はイケメンなんでね。性格悪くてもモテます」



