全くありがた迷惑だよな。そんな話。
なんて思いながらも教室に何とか着いた。

【1-A】

「えーっと俺の席はーと...あ、そこか」
黒板に張ってある表を見て移動した。
席は黒板から見て一番窓際の一番下だった。俺はラッキーなんて思いながらも鞄を机に書け席に着く。

これから新しい高校生活が始まる。
綺麗でデザインも申し分ない制服に、綺麗な教室、新しい教科書ノートに新しく出来る友達・クラスメイト。

少し期待を胸に秘めて俺はこの高校生活を何一つ不満なく送ろうと誓った。
まぁ、でも友達なんていない俺には友達作りなど無理か。

「何故俺は友達がいないのだろう」

決して嫌われているのでもいじめられているのでもない。
中学では普通に喋ったし、頼られる事もあったし、何より生徒会長をしていた。
なのになのに...なぜか友達と呼べる存在がいなかった。

理由はただ一つだ。多分。いや、絶対そうだ。
俺が有名な高校の理事長の息子だからに違いない。そのせいで、皆近寄れなかったのかもしれない。

でも俺は、ただただ普通に友達と楽しく喋って遊んでいたかっただけなのに。
普通の中学生活をしたかっただけなのに。


けどそんな夢は全く叶うはずがなかった。