My voice for you ~届け~

目の前の彼はかなりの美形だと思う。

人より色素の薄い瞳。

すっと通った鼻筋。

髪は黒に近い茶色。

一言でいうならチャラい。

でもそんな彼の名前さえ私は知らない。

どうせ話せないからと、クラスの大半の名前を覚えてない。

もう卒業だけどね。

「…。」

声が出せない私は黙って目の前の男子の顔を見ていた。