男の子のパニックと痛みが落ち着いた時には、カンナヅキは大声でトゥーヴァに弁解なのか質問なのか分からないような事を述べていた。
「どうしてっ!居るなら居るって…!」
完全にパニック状態のカンナヅキに対して、何時ものように感情の起伏が感じられないトゥーヴァはただ淡々と話す。
「…仲良さげに抱き合いながら寝ておるのだ、起こせないだろう。普通」
「違うっ!違わないけど違うから!そういうのじゃないから!!」
トゥーヴァは、何をそんなに騒いでいるのか分からない、と言った表情で首を傾げた後、立ち上がった男の子の方をみやる。
カンナヅキも、自分がしてしまった事に気づき、小さく声を漏らした後謝罪した。
「ぼーや…!大丈夫…?ごめんね、その、つい」
腰をさする男の子に、大きな身を縮めて謝るカンナヅキに何も言えず、ただ大丈夫だよ、とだけ伝え少し歪な笑顔を見せる。
なかなか痛い。
「…もう2時だね……」
部屋の時計を見て男の子はそう呟いた。
今日はもう一度ディエヴァにセイレーンが現れる条件を詳しく聞きなおそうと思っていたので、もうそろそろ向かわなければならない。
「もう一度話を聞くのだろう?」
トゥーヴァは、何故知っているのかは分からないが男の子はただ頷く。
男の子がその話をしていた時半分寝ていたカンナヅキは首を傾げる。
「昨日本当にセイレーンが現れなかったのかも確かめなくちゃ、ね」
男の子がそう言った時、カンナヅキの胸に鋭い痛みが走った。


