ギルド「男女奏」<ウーマンテット>がある通りの隣の通りはホテル街となっており、そこの一番安いホテルをとることにした。
203と書かれた鍵を持ち、階段をのぼる。
部屋を見回してみると、安い宿泊料にしては、かなりいい部屋だった。
狭い部屋のせいか、ベッドと小さなテーブルとチェアーしかないが2人にはそれだけで十分だった。
「ねぇ、ぼーや…ベッドがさ」
男の子は部屋を見回して楽しそうにしていたが、カンナヅキは部屋に入るなり立ち尽くしていた。
部屋に入ってすぐ、ベッドに目が入った。そのベッドに問題があるようだ。
「なんでダブルベッドなわけ?」
「部屋の大きさの都合上じゃないかな?」
男の子は窓から外を眺めながら、ぼーやじゃないやい、と言ってからそう言う。
「そんな事聞いてないわよ!ね、寝るの、このベッドで⁉︎」
カンナヅキは顔を真っ赤にさせながら、ベッドを見つめる。
男の子は笑いながら、「そりゃあね〜」と言っている。
「あ、そうだ、さっき聞いた内容を具体的にまとめようか」
男の子はくるりとこちらをむき、小さなチェアーに腰掛け、テーブルに置いていた紅茶のセットで紅茶を作りながら、カンナヅキにもチェアーに座るよう促す。
「これは?」
カンナヅキが不思議そうに、注がれる紅茶を眺める。
「アップルティーとはちょっと味が違う飲み物だよ…これはラベンダーティーだって」
カンナヅキは、ふーん、とだけ返事して口に運んだ。
鼻をくすぐる香りに、カンナヅキはリラックスする。
男の子も香りを楽しみながら、口に運んだ。


