「思い過ごし…じゃない……ですよね」
カンナヅキは、思い過ごしでは、と聞こうとするがディエヴァの顔を見ると思い過ごしでは片付けられなくなった気がした。
「その理由は何かあるんですか?」
ディエヴァの癖なのか、先程からひっきりなしに首元を気にして触っている。また、今も首元を気にしながらディエヴァは口を開いた。
「その、しっかりとした理由は無いんですが…私が講演のために色んな場所を訪れさせて頂いた時は必ず、私が夜な夜などこかに出かけているらしくて…私の歌も聞こえる、と」
「らしい?」
「あ、はい…私には、まったく記憶が無いんです。それで目撃情報しか…そして、翌日には血だらけになった死体が、森から見つかるんです」
不確かな情報ばかりだが、本来依頼とはこのようなものだ。今回の依頼は、むしろ情報が多く動きやすい、と男の子は考えていた。
「では、いくつか質問してもいいですか?」
ディエヴァは、小さく返事をした。


