風神さん。



受付の頭上には、それぞれ液晶の魔器が映し出されている。

やはり受付の中でもコーナーが多く、忙しそうなのは公演のチケットを買ったりする「チケット」と書かれた所だった。
二人はチケット買いに来たわけではないから、今回は「依頼」と書かれたコーナーに用がある。

依頼のコーナーは、「男女奏」<ウーマンテット>に公演するホールの使用の依頼や、ギルメンの公演の依頼や、「男女奏」<ウーマンテット>のギルドが出した依頼の受理という内容。
ギルメンの依頼(芸能ギルドでは一般的に契約と呼ばれる)は、大体ギルマス同士などを通す事の方が多く、「男女奏」<ウーマンテット>自体依頼を出すことが少ないため、このコーナーは一つだけ。

それでも受付の横に設置された受付番号が書かれた札を渡す魔器の元でガイダンスに従い、「依頼」コーナーの受付番号を受け取らなければいけない。
それを説明しながら、男の子は実際にその魔器を起動させる。
液晶に触れると、かわいい音が鳴り、「男女奏」<ウーマンテット>を意識した正装した男女のキャラクターが交互に音声で説明をする。
そして、38番の札を受け取った。

そしてすぐ、綺麗な音声が鳴り、受付に座っていた女が「38番の方」と呼んだ。
カンナヅキは札を強く握ったまま、何故か緊張しながら男の子の後を歩く。