風神さん。



「あっはっはっは‼︎相変わらずカビ臭いギルドだ!」

透き通った声がギルド内に響いた。酒やら飯やらをとっていたギルメン達は笑いながらうるせーと言う。

ふわふわとしたボブに近い髪型をし、色素は薄い。目も髪と似たような色で顔立ちの整った顔だった。
シミ一つない白いポンチョを身に纏い、スラリしたロングドレスとよくあっていた。見た目からして、どこか名家のお嬢様なのだろうとカンナヅキは一人納得する。
カンナヅキがよく目を凝らして見ると、隣に犬のような耳が生えた小さい男の子が守るようにしてそばで歩いていた。
犬耳の男の子ボサボサの茶髪を無造作に伸ばして目が見えていない。服装は黒色のどこかの民族の伝統的な服だと思われる服を見に纏っている。

「あの二人は…?」

カンナヅキが男の子に小さく耳打ちすると、綺麗な女性がアンドレア、犬耳の男の子が、ウルガと言うらしい。

「あと、アンドレアは」

男の子がそう言いかけた時、大きな犬のような鳴き声にかき消されてカンナヅキの耳にまで届かなかった。

「おいらは犬だぞ!犬といえば忠誠心だこの壁胸女!」

「むっ、胸は関係ないだろう貴様!私は人間だぞ!忍びという鉄則の掟に身をおいた忍びなんだ!私の方が忠誠心が高い!」

そう言い合いしているのは、ウルガとトゥーヴァ。どうやら、どちらの方が自分の主人への忠誠心が高いかで喧嘩しているが、男の子曰く毎回会うたびにこの喧嘩をしているらしい。

アンドレアはすでに酒を片手に女性とは思えないような大笑いをしながら、話に夢中になっている。

「…あ、で、アンドレアさんが⁇」

二人の喧嘩で忘れかけていたが、カンナヅキはもう一度聞き直す。

「…あぁ、アンドレアはね、男だよ」

カンナヅキは思わず大声をあげ、驚く。今更大声をあげたところでこの騒がしいギルドには当然のように溶け込んでゆく。
思わず次に言葉として出てきたのは、どうして、と言ったが、男の子はさぁね…とまた柔らかく笑いながら、アンドレアに聞いてみたら?とからかうように言った。