「…ここが………」

大きなギルドだと聞いていたが、カンナヅキは実際に見てみると息をのんでしまった。
目の前には大きな門があり、ギルドの紋章とよく似た、天使の姿をした彫刻などで飾りつけされている。
ギルドの土地を覆う柵には花が咲き誇り爽やかな気持ちにさせる。
扉もない門をくぐるとまっすぐに石畳がひかれていて、そこを進んでいくとギルドの中に入れるようだ。
石畳の上を歩きながら、右左と見ているとオープンテラスのようにテーブルとチェアーがのワンセットが程よい感覚で置かれていて真っ白なボディは芝生の上でさらに映えさせた。

魔法を練習する子供や静かにお茶を飲みながら本を読む女性、さらにはこんな昼間から酒を飲んでいる男達が居た。
どうやら、ギルメン(ギルドのメンバーの略)だけがこのオープンテラスを利用しているわけではなさそうだった。
中へ入るには、大きな門がありそこを開くと、いよいよ。

カンナヅキはごくりと唾をのむ。
初めて見るものばかりで目が輝いていたカンナヅキを男の子は面白そうに見ながら、またクスリと笑う。
そして、門を開く手に力を入れた。