男の子は、両手を大きく広げると、目をつむった。
シュベロ達は大魔法が使われる事を悟った。
「"風神"櫂」
そういったのと同時に、男の子の身長何倍もある大きな魔法陣が現れた。
そして男の子は手を真っ直ぐ伸ばしたまま、頭上で手を合わせ、振り下ろした。
生み出された強風は、カンナヅキの方へと容赦無くせまる。
強すぎる魔力に恐れを抱くものの、カンナヅキは意を決し、拳銃をまた強く握りなおした。
「今…風神って言わなかったか?」
「やっぱり、本物の風神なんだ!」
「魔力が桁違いすぎる!」
シュベロの仲間達は、口々にそう言い、戦意というものは無くなっている。
「アート…ウェザー」
強風の方角に銃口を向ける。これほどの大きな魔力だとは想像すらしていなかったため、若干焦りが生まれている。
が、やらなければならない。
「ブレッド」
カンナヅキが呪文を唱えたと同時に、銃口に魔法陣が現れ、強風は全部魔法陣に吸い込まれるようにして、消えた。
そして、今度は≪空船≫へと銃口を向けた。
両手で拳銃を持ち、標準を安定させる。
カンナヅキの考えは、大魔法の威力を弾丸として集中させる事だった。
それに気づいたシュベロは急いで煙のバリアを張る。
それと、同時に拳銃の引き金は、引かれた。


