爆煙がうっすらと消えていく部屋。
シュベロは低く喉を鳴らし笑っていた。
部屋の一部分が破壊され、外の雲一つ無い空が見えている。
大きな損といえば、ツキビト族のカンナヅキを逃がしてしまった事だ。
否、こんな所から空に吹き飛ばされれば生きてやしないだろう。
そう、考えていたら一人の部下が震え始めた。
「…シュベロ、さん…‼︎」
なんだ、と言いながら穴があいた方を見てみると、外に少し汚れただけの男の子と、カンナヅキが空に浮いていた。
なっ、とシュベロも言葉を失い戸惑った。
「ぼーや…私なんで空飛んでるの⁇」
男の子は、ぼーやと呼ばれたすぐ後にぼーやじゃないやい、と否定したあとに、クスリと笑いながら、風の力を借りてるんだ。と答えた。
そう言われても、自分が空を飛んでいるという感覚はあまりに不思議で、素っ気ない返事を返してしまった。
「じゃ、最後の仕上げ」「まって」
両手を胸の所で合わせた男の子を、カンナヅキは止めた。
何も言わずに振り返ると、初めてカンナヅキのしっかりとした瞳を見たような気がした。
何か、提案をするようだ。
「私に、ぼーやの1番強い魔法をあてて」
否定しようとしたが、真っ直ぐな瞳に思わずドキリとした男の子は何か策があるんだろう、と理由を尋ねながらリュックサックを返してもらい、背負った。
「私は「自然造形師」<アート・ネイチャー>なの…分かる⁇」
男の子は増毛できそうな魔法だね、とからかいながらもカンナヅキの意図に気づいた。
カンナヅキもうるさい、とは言うものの気づいてもらえた事を理解し、薄く笑った。


